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「どうも、ボス。僕はマーモン」
 赤ん坊がやってきた。



ダディ!04


「ほれ、あー」
「……あのさ、ボス」
「くちあけろ」
「だからね」
「口答えすんのか?」
「……あー」
 固形食はいけるかどうかあいまいだったから用意したのはヨーグルト。わざわざスイスまで取り寄せしました。(ボスはアルプスに思いを馳せていた)すべては小さな幹部のため。ボンゴレの王座につくまではおそらく要る駒だ。粗末にはできない。かといって大切にはしない。

「ほれ、はやく飲み込め」

 ひくひくと口元を震わせるスクアーロに気付いたマーモンはかすかに顔をしかめた。ボスは性格的にこうした行動を取る人間ではないようだ。なにか勘違いが彼の背中を押すのだろう。
「ボス、あのね」
「食事中はだまっとけ。マナーもなってねえのか」
「……」

 見た目の通り、聞く耳をもたない頑固者。それはこの食事風景を通して理解した。話もまともにできない。差し出されるスプーンにあわせ口を開きやけに旨味なヨーグルトと飲み込みながらマーモンは思う。ここはボンゴレの特殊暗殺部隊のはずだ。幼児の面倒を見るための施設だとかそうしたたぐいではない。
 それなのにこわもてのボスは何度もスプーンを差し向けるのだ。
「……っふ」
 とうとう堪えられなくなったらしいスクアーロが小さく吹き出した。運悪くもボスの手にもたれていたスプーンがなぜかしらスクアーロのほうへ飛んでいった。なぜかしら、理由はきっとわからない。
「……代え、持って来い」
 これはいつものことなのだろう。顔色一つかえずにスクアーロはただ頷き部屋をあとにした。変な人間ばかり集まるところ、それがヴァリアーなのかもしれない。
「手間かかるな」
 疲れるな、まったくと吐き出したボスに思わず同感してしまう。けれど言い出せそうにはない。だからこの疲労はまだしばらくはつづきそうだ。

ここはあくまでヴァリアーでマーモンは見た目こそ赤ん坊であるがただの赤ん坊ではないということをいつか伝えられるのだろうか。

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